石垣島の陸上自衛隊ミサイル基地をめぐる住民投票をすすめた、金城龍太郎さんが小説「花の大陸」(南山舎・468頁・1800円+税)を昨年12月に発刊した。

動画(9分12秒)

龍太郎さんにその思いを聞いた。

小説の刊行を思い立ったのは、一つ目の裁判「住民投票義務付け訴訟」の最高裁判決(2021年8月25日)が出たころだという。「住民投票」という4文字の堅苦しさにとらわれず新しい何かを「昇華」したかった、と龍太郎さんは言う。

そういえば、「義務付け訴訟」の那覇地裁判決が出たころ、龍太郎さんは、「裁判以外の方法も模索したい」とインタビューで語っていた。おそらく、島を二分した「ミサイル基地問題」を、島に住む人たち全員が納得する方法で解決したいという気持ちがあったのだろうと思う。

ネタばれはできないが私が読む限り、いくつかのキィワードがこの小説を支えている。

その一つは、「まつり」。

「まつり」は、「おもと山」を中心とする石垣島の農民、漁師たちが自然に感謝し、島を支えてきたもの。なくてはならないものだと彼は語った。

もうひとつは、「分断」。

「僕が高校生くらいから、人はスマートフォンやインターネットなどで地球の裏側にまで簡単に行けるようになった。その反動が今、分断という形であらわれているのでは。つまり、人は一線を越えてはならないことをやってきた結果ではないか」と龍太郎さんは語った。

「この小説では、フロリタという女の子がアメリカからあるデータをかかえ、石垣島を冒険する。ハリウッドばりの壮大なドラマとなっています」と紹介した。それは、468頁という本の厚さに表れているし、タイトルにも反映している。これを、住民投票運動の裁判の渦中に書き上げたことが驚きだし、ここに金城龍太郎さんの思いが表れている。(湯本雅典・2026,5,27)

◇本の取り扱いは沖縄県内の書店、もしくはAmazon 南山舎のオンラインショップにて

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小説「花の大陸」表紙