

東京・清瀬市の市長選で原田博美さんが勝利しました。自公推薦の2期目の現職を相手に、どうみても勝ち目はないと見えた選挙。共産党員の女性候補が勝つなんて思いもよらなかった。原田さん自身、勝つとは思ってもなかったようで、当選の直後に本人の口から「まさか」という言葉がこぼれ出ました。当選の言葉を聞くと「本当に」という言葉が何度も出てきます。口癖になるほど「本当に」「本気で」闘った成果だと実感させてくれます。
原田さんは当選後、半泣きしながら話しました。「本当に信じられない思いでいっぱいですが、まさか・・・まさかなんて言っちゃった(笑。・・・接戦に持ち込めれば、現市長に反省させるような結果をもたらせれば、と思っていたんですけれども、本当に勝ち取れるとは思っていなかったです」。正直な方です。政治の場でホンネを出せる人っていいですね。一夜明けて当選証書を手にしての記者会見でも「市民の怒りや悲しみ、勝手に決めないでという声、やっぱり市長を変えなければいけないんだという声」に背中を押された、と強調しました。実直な言葉です。
2月の総選挙の結果にがく然とし政治に絶望していたみなさん、世の中は変わるのです。「まさか」が現実になる時代です。変える力は「本当に」「本気で」闘うことでしょう。このところの講演で僕が強調しているのは石川県で珠洲原発を阻止した住民の闘い方です。おばあさんが電力会社の車の前に身体を投げ出して「ばあばをひいて行け」と叫んだ。市民が市役所の会議室に40日間、立てこもった。雑貨屋のおかみさんが「店をつぶしてもいい」という気概で闘った。七沢潔さんの『原発をとめた人びと』(地平社)に詳しく書かれています。実力行使に訴えてでも阻止しなければという真摯で強烈な闘い。それが保守の牙城の地で原発を阻止した。本気の力の勝利です。
いま、世界に大きな巻き返しが起きています。権力をむき出しにするトランプ大統領に対し米国市民は「王はいらない」を掲げ全米3300カ所で800万人による「米国史上最大」のデモをしました。日本でも19日、米国とイスラエルによるイラン攻撃に反対するデモに1万100人が参加しました。25日には雨の中「平和憲法を守るための緊急アクション」に2万4000人がペンライトを振りました。
28日に東京・新宿の平和フェスで声が上がった「レイシスト、帰れ!」のコールをXでシェアした映画監督、坂上香さんは「いいねが一気に2万超えで、シェアも5000近く。びっくりするのは、運動系よりアイドルファンとかオタク系が多いこと!ネトウヨも絡んでくるけど、そんなの気にならないぐらい、え、そこに反応するかって感じの、アイドル推しのペンライトのコメントとかが面白い。デモへのハードルがぐんと下がってる感じが良い」と書いています。
そう、デモへのハードルがぐんと下がった。いや、言いたいことを言えるのがデモという場だということが理解された。制限だらけの時代にひたすら耐えるしかないと思っていたところ、身体で自由に表現していいのだと若者が気づいた。ペンライトといえば発祥は2016年の韓国のロウソク革命です。100万人規模で市民が抗議行動を繰り広げ、選挙でなく市民運動で政権を倒しました。日本ではとてもそんなに集まるわけがないと言われますが、いやいや、そうでもないかも。
米国のデモは参考になります。日本と違って参加者がそれぞれプラカードをつくって掲げます。主張が思い思いで、見てて楽しい。沿道の市民が関心をひくプラカードを見つけると掲げた人に話しかけ、いっしょに歩くのです。だからデモが膨らむ。エイエイオーと気勢を上げるのもいいけど、沿道の人を巻き込む行動につなげたいものです。画像は2003年に米ロサンゼルスで行われたイラク戦争反対10万人デモの現場からです。

