約40人が集まり、大盛況でした

 6月2日、ことし2回目の「三多摩レイバー映画祭2024」は、約40人が参加し大盛況だった。居酒屋スペース「キノ・キュッヘ」(東京・国立)をぎっしり埋めて、終日、労働をテーマにした映画を鑑賞した

 参加者のSさんはこう寄せている。「ケン・ローチ監督によるリバプールの港湾労働者のたたかいのドキュメンタリー『ピケを越えなかった男たち』に始まり、町中華が店をたたむ寂しさを描いたドキュメンタリー、非正規公務員、パワハラ、人種差別など今の日本社会の縮図を描いた作品が続きました。そして韓国のKBS製作のドキュメンタリー『日本人 オザワ』、とても見応えのある作品でした。このような番組が韓国では夜のゴールデンタイムに放送されたそうです。会場には尾澤夫妻もいらっしゃって、生のお話を伺うこともできました」。

 メインの『日本人 オザワ』上映後に尾澤夫妻が登壇すると(写真上)、大きな拍手が起きた。参加者からは「尾澤さん、本当にありがとう。あなたが日韓連帯の真の姿を体現してくれました。私たちの誇りです」との声があった。尾澤孝司さんは「タイトルはオザワとなっているが、本当の主人公は地道な連帯行動をしてきた多くの日本の人々。そしてなにより遠征闘争をした韓国労働者たちです」と強調した。

 映画祭では、ほかに『私の好きな店』『わたしは非正規公務員』『マリアとサリー〜パワハラの正体』が上映され、制作者トークがあった。『マリアとサリー』は、ホテルの清掃業務をしている2人のフィリピン女性に対するパワハラ差別を描いたもので、彼女たちは組合をつくり声を上げ、職場の改善を実現した。フィリピン女性は二次会に駆けつけ、挨拶をした。そこでわかったことは、そのホテルにはイタリア人も働いているが、パワハラはフィリピン人に対してのみ行われていたこと。根深いアジア人蔑視の日本社会が浮かんできた。

 午後6時からは二次会に移り、大交流会となった。飲食をしながら、全員が発言し、自己紹介、映画の感想、質問などが相次いた。参加者は、労働組合員もいたが、市民活動家、映像メディア関係者、一般市民など多種多様の老若男女だった。新たなネットワークがうまれた「三多摩レイバー映画祭」だった。(M)