ささきゆみ(パーソナリティ/左)とゲストの浅井健治さん

第33回の「あるくラジオ」(3月27日放送)は、『週刊MDS(民主主義的社会主義運動)』編集スタッフの浅井健治さんをゲストにお迎えし、豊かな海外取材の経験をお聞きする場になった。

浅井さんが、運動にかかわり始めたのは学生時代だ。東大安田講堂占拠の攻防があった1969年に大学に入学し、社会科学系サークルに参加。卒業後、地方公務員を経て、『週刊MDS』 の編集スタッフになる。初めての取材は1987年のフィリピン。農村の土地占拠運動に出会った。1982年に100万人のデモでマルコス独裁政権が倒され、ピープル革命と呼ばれたが、その革命の内実は、地域の農民たちの共同組合作りなど地道な運動の積み重ねにあったことに気づかされたという。以後、計14回フィリピンに取材を重ねた。

2001年の9・11同時多発テロ直後、アメリカ・ワシントンで開催された「報復戦争を許さない」大集会には、急遽参加した。2万5千人が集まった集会は、寝転んでいたり、歌を歌ったり、スピーチも3分以内、自由な雰囲気があふれていた。シュプレヒコールは「戦争はテロの答えではない」「答えは(戦争に反対している)我々だ」。プラカードも各自手製のものが多く、アメリカの反戦運動が、一人ひとりが発することばを持っていることに、ものすごく感動したそうだ。

2023年10月のイスラエルによるガザ攻撃に対し、世界の反戦運動は「BDS(イスラエル製品の不買、資本の引き揚げ、制裁)」を呼びかけている。ここに出てくるのが植民地支配やアパルトヘイトに対する抵抗のキーワード「譲り渡すことのない自己決定権」だ。個人、社会、国にも自己決定権がある。自分たちの進む道は自分たちで決める。ガザのジェノサイドをやめさせる闘いは、自己決定権を否定する者たちに迫る闘いだという。ニューヨークのマムダニ市長の誕生も、街を一部の富豪たちから労働者・市民の手に取り戻そうとする自己決定権の闘いに通じる。

「ガザのジェノサイド」反対集会で知った「From The River To The Sea Palestine Will Be Free」の本当の意味など、書きたいことはたくさんあるが、それは放送を聴いてのお楽しみに。浅井さんが運動の現場で見たもの、聞いたことばの豊かさに圧倒された今回の放送だった。(ささきゆみ)

●放送サイト↓
https://www.labornetjp2.org/walking-radio/33/