アリの一言

 13日、NHKが発表した世論調査(4月10~12日実施)によると、高市早苗内閣を「支持する」が61%(前月比2㌽増)、「支持しない」が22%(同4㌽減)で、引き続き「高支持率」を示しています。なぜ高市内閣の支持率は高いのか?

 同調査には「イラン情勢」について、「米とイラン停戦合意 政府の外交姿勢」という設問項目があります。結果は、「大いに評価する」13%「ある程度評価する」52%、計65%。「あまり評価しない」20%「全く評価しない」6%、計26%で、圧倒的に「評価する」が多数だったとしています。

 しかしこれはきわめて恣意的な偏向調査と言わねばなりません。

 そもそも「停戦合意」と「政府の外交姿勢」を並べて一緒に評価を問うこと自体不当です。「停戦合意」は評価するが「政府の外交姿勢」は評価しない人はどうなるのでしょうか?

 設問は、「アメリカとイランが停戦合意したことを受けて、日本政府は、引き続き事態の沈静化に向けて、国際社会と連携し、外交努力を進めていくとしています。こうした政府の外交姿勢」をどう評価するかときいています。

 「事態の沈静化」「国際社会と連携」「外交努力」という美辞麗句を並べられれば「評価する」と答えるのが普通でしょう(それでも「評価しない」が26%もありました)。NHKの設問はそうした言葉への評価を「政府の外交姿勢」の評価に落とし込むものです。恣意的な偏向調査たるゆえんです。

 「イラン情勢」をめぐる「日本政府の外交姿勢」についての評価を問うなら、一般論ではなくその特徴について問わねばなりません。それは、国連やG7諸国も含め国際社会がこぞってトランプのイラン攻撃は国際法違反だとして批判している中で、高市氏だけが一貫してその評価を避け、トランプをかばい続けていることです。質問するならこの点をきかねばなりません。

 とはいえ、仮にそれをきいたとしても、はたしてどれだけ結果が変わっていたかは不透明です。というのも、NHKの3月の世論調査で、「イランに対するアメリカとイスラエルの攻撃を受けて、日本政府は、現時点では法的評価は控えるとした上で、事態の早期の沈静化に向けた外交努力を尽くすとしていますが、こうした対応への評価」を尋ねたところ、「評価する」58%、「評価しない」33%だったからです(この調査でも「沈静化に向けた外交努力」という否定しがたい文句を付けています)。

 NHKの設問の偏向とは別に、日本の「世論」自体が右傾化していることは否定できません。

 同じG7で、同じ女性首相で、同じくトランプと親密な関係なのがイタリアのメローニ首相ですが、このところ「メローニ首相の政権基盤が揺らぎつつある」(2日付沖縄タイムス=共同)と報じられています。「看板政策の司法制度改革が3月の国民投票で否決」されたこともありますが、「国際秩序を揺るがすトランプ大統領との親密な関係が敬遠材料になったとの見方もある」(同)のです。

 イタリアではトランプとの親密な関係が政権にとってマイナス材料になっている。市民がそういう判断をしているということです。一方日本では、トランプに媚びを売る高市外交を多数が支持している。民度の違いは否定できません。

 メディアの偏向・体制順応と市民の右傾化。その相乗が現在の日本の危機を表しています。

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