●根津公子の都教委傍聴記(2026年1月15日)

 公開議案は①「都立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則の制定について」、公開報告が②「(仮称)子供(ママ 以下同じ)・若者体験活動施設 区部基本計画(案)について」 ③「令和7年度都教委児童・生徒等表彰について」 ④都立高校生対象の防災士養成講座について」。非公開議題には4件の懲戒処分等案件が、非公開報告には1件の懲戒処分案件があった。
今日の報告で最も判断ができなかったのは「都立高校生対象の防災士養成講座」だった。

①「都立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則の制定について」
 戦後の1947年に学校教育法が制定されたとき、学校は校長のほかはすべて教諭だった。その後教頭・副校長が設けられ、21世紀に入ると主幹教諭が設けられ、職階制が進んだ。昨年文科省は、主務教諭を創設。都教委は全国に先駆けて2009年、主幹教諭と教諭との間に主任教諭を設けていた。都教委の主任教諭は、主務教諭と同等の地位であるとして、今回それを規則に書き込んだ。ただし名称は、主任教諭のままで行くとのこと。
 職階制を敷いたことと同時に、学校職場は役職付きの者たちでの会議が多くなり、全職員が参加した職員会議で議論し決定することが軽んじられて来た。東京では職員会議は“校長の伝達機関”・「校長の話を聞く場となり、発言は許さない」とまでなった。その校長の話とは、都教委の方針・指示を伝達するのみ。
 都教委が職階制で教員を競い合わせ、教員たちの協働の仕事を奪ったことによって、教員の精神疾患が増大した。さらにはそれによって、子どもたちの不登校やいじめも増大したと私は考える。
 教育委員たちには、こうしたことについてよく考えてほしい。

②「(仮称)子供・若者体験活動施設 区部基本計画(案)について」
 一昨年の12月、区部と多摩地区に各1か所、若者体験活動施設をつくることが定例会に諮られた。今回は、区部の事業内容と施設整備についての報告だった。
 事業内容として、ア.「子供・若者に多様な体験活動を提供」 イ.「子供・若者の自主的活動・交流の機や場の提供」 ウ.「NPO等の参画交流の機会の提供」を挙げ、ア.では「体験機会の少ない子供・若者を対象とした、芸術・文化・スポーツに触れる体験」や「不登校等、課題・特性に応じた子供同士の交流やインクルーシブな交流プログラム」等を活動例として挙げる。
施設整備は、来年度に業者を選定し、2033年度から事業が運営できるようにするとのこと。

③「令和7年度都教委児童・生徒等表彰について」 
「1,地道な活動を継続的に行い、他の児童・生徒等の範となる者 2.当該児童・生徒等が自ら学び考え行動した活動が契機となり、その効果が波及し、他の児童・生徒等の具体的な行動や取組に良い影響を与えた者  3.環境美化活動や福祉活動、伝統・文化の継承活動、奉仕活動、地域社会における活動等を継続的に実践するなど、社会の一員として社会のために貢献しようとした者」を表彰基準として、今年度は個人276名、団体47団体を表彰する。能登についての絵本を作り、それを能登に送って喜ばれた中学生などの事例が紹介された。表彰式は2月7日に行うとのこと。

④「都立高校生対象の防災士養成講座について」
 講座は今年で4年目、「都立高校等の生徒および教員を対象に、将来の防災リーダーを育成することを目的として、防災士の資格を取得」させるのだという。定員200名のところ、今年は253名の応募があり、来年の受講に回ってもらうなど調整して実際の受講決定者は176名。教員の受講者もいるとのこと。講座は8月5日から7日まで行われた。受講した人のうち、168名が受験。合格した147名が防災士の資格を取得したとのこと。
 資格があれば、それが生徒たちの進路・職業選択へとつながるのか。そうした話は都教委からはなかったので、ネットで検索したところ、消防署で働くためには、防災士の資格を取得した後、消防学校で半年間寝食を共にして学ぶのだという。この期間、給料は支給される。
 この報告に、教育委員の皆さんは絶賛。一人は、「これは都立高校の魅力につながる取り組みと言える」と発言した。
 まさか、消防士の資格を取るために都立高校を希望する中学生はいないだろう。都教委は何を狙ってこの講座を始めたのか? 狙いがなければ始めるわけはない。この講座の開講も、超勤が日常化している教員たちに、さらに仕事を増やすことになる。それも都教委は承知の上での講座だ。都教委が目的とする、「防災リーダーを育成」することは、都教委の考える「連帯感」や「郷土愛」につながるのか・・・。今日の報告で一番わからなかったことです。