

<愛知連帯ユニオン>
労働委員会棄却命令取消訴訟2事件
3月18日、名古屋高裁は愛知連帯ユニオンを控訴人とする愛知県労働委員会命令取消訴訟2事件について組合の請求を棄却する不当判決を行ないました。連帯ユニオンでは3月23日に両事件について上告と上告受理申立をその理由書と共に提起、3月25日には最高裁と名古屋高裁長官に対して、裁判所法82条に基づき、両控訴審裁判を担当した原克也、松井洋、宮崎文康、新谷晋司、山本万起子、本松智の6名の裁判官に対して、裁判官の職責を果たしていないとして不服を申し立てました。(写真=名古屋高等裁判所の渡辺勇次長官)
事件の第1は、団交において社長が組合に対する不利益扱いを公言する言動を行ったことについて、組合員と雇用関係にある子会社(生コン輸送)2社の不当労働行為が愛労委で認定された事件で、親会社の使用性とその不当労働行為の認定を求める裁判です。不当労働行為発言を行った社長は、親会社と子会社1社の社長を兼任し、もう一つの子会社1社の監査役になっています。
第2の事件は労働委員会の救済手続きで団交ルールについていくつかの和解協約が締結されながら、組合員への配属差別と組合員の家族に対する採用差別について係争が残り、裁判に持ち込まれたものです。
120と240個の証拠を1回の期日で判断、判決はデタラメ
第1の事件では240の証拠が提出され、第2の事件では120の証拠が提出されているにも関わらず、名古屋高裁は組合の論点整理や証人追加の要求を受け入れず、1回の期日で結審、全くでたらめな事実認定の判決を書きました。膨大な背景を持つ労働事件ですから、審議の進め方については慎重に検討しなければならないにもかかわらず、です。
第1の事件の判決では、不当労働行為が発生した当の団体交渉の使用者側の代表者が親会社の従業員でしたが、裁判官らはこの肝心な問題を勘違いして間違った記述をしています。また、判決は不当労働行為発言をした社長は子会社の「関係者」として出席したとしながら、その「関係」が何であるのかという中心的な争点について何の判断理由もなく、「親会社の社長としてではない」としています。
第2の事件の判決では、配属差別が問題になっている事件で、旧来の部署に復帰した労働者と新規採用する労働者を混同し、旧来の部署に復帰した労働者が「仕事に慣れていなかった」と錯誤した記述を行っています。また、採用差別については、救済手続きで会社が最初に不採用の理由とした事項が虚偽であると自白し、会社が次に救済手続きで不採用の理由とした事項については愛労委が証拠から事実ではないと認定しています。それでは会社が採用手続きすら行わなかった理由が何なのかが中心的な争点でしたが、判決は何の判断もせずに、「会社の雇用や配置に関する方針に合致しなければ、その採用手続を早々に打ち切ることは何ら不自然なことでもない」等としました。
高等裁判所の裁判官らは事実誤認が免責されている!!
最高裁への上告と上告受理申立は、①憲法違反 ②理由不備又は齟齬がある ③重大な判例違反のどれかがなければ、上告を受理せず、「単なる事実誤認または法令違反の主張」として却下されます。年間約1万件ある最高裁への上告と上告受理申立のうち、上告審として受理されるのは1%もありません。
そうすると、高等裁判所の裁判官たちは、事実誤認をしてもそれが問題になるケースは1%もなく、そのことを意識して仕事をしていると言わざるをえません。昨今、冤罪事件の多発により再審の在り方が問題になっていますが、何十年も経ってから判決が訂正されるのでは遅すぎます。最高裁の裁判官と40人の最高裁専門調査官が事実認定ついても調査し、それが可視化されなければならないと思います。

