「デブリ取り出し0.9 グラム」福島の後始末はまったくできていない

 あの福島原発事故から15年目の3月11日、経産省前では「忘れてなるかフクシマを!」と題して抗議集会が開催された。参加者はざっと150人くらい。経産省前にテントが立ったのが、2011年9月。その後テントの強制撤去にも負けず、以来15年間、経産省前の座り込み行動が続いてきた。この日で「5296日」だという。経産省ビル前には巨大な横断幕「原発やめろ」が掲げられ、午後2時から集会がはじまった。

 開会挨拶に立ったテントの平岡臣実さんは、「この15年でこの世を去った仲間は20人をこえた。でも座りこみのたたかいは続いている。原発は許せないからだ」とたんたんと語った。座り込みのオヤジたちも次々とマイクを握った。

 ミュージシャンの朴保さんは「沈黙の民衆よ! 人々が叫び続ければ、平和な社会は必ず実現できる!」と歌い上げた。

 リレートークでは、松久保肇さん(原子力資料情報室)、落合恵子さん(作家)、河合弘之弁護士、山崎久隆さん(たんぽぽ舎)らがスピーチした。『がんと生ききるー悲観にも楽観にも傾かず』を上梓した落合恵子さんは、「こんな酷い状況で私たちは沈黙しない。諦めない人間がいる限り、この社会にストップをかけることは可能だ。悲観も楽観もせずにまっすぐに進もう」と訴えた。

 河合弁護士もエールを送った。「みなさん誇りをもとう。15年間あきもせずにやってきた。すごいこと。世の中の人は目先に追われ原発のことを忘れているが、テントの人たちは将来のことを考えている。原発がだめなのはハッキリしている。私たちは必ず勝つ」。

 松久保肇さん、山崎久隆さんは、専門家としてミニレクチャー。トラブル続きの原発の危険性と膨大な税金浪費などをわかりやすく話した。山崎さんはこういう。「福島事故の後始末は15年経っても何ひとつできていない。原子炉の中は何ひとつ変わっていない。10シーベルトの放射能が出ていて人間が即死する線量のままだ。デブリを取り出したというがたったの0.9グラム。全部で880トンもあるのだ。東電は2051年までにデブリを取り出すとロードマップを発表しているが、だれひとり信じていない。福島の後始末には300年も400年もかかるだろう。そんな状況で、柏崎刈羽の再稼働など絶対に許してはならない。声を上げていこう」と呼びかけた。(M)