
衆院選挙では参政党がさらに「支持」を伸ばすと予想されています。しかしその「支持」は果たして同党の実像が明らかになった上での「支持」でしょうか?
たとえば、「教育政策」です。
選挙公報で参政党は、「3つの柱」の3番目に「日本人を育む~教育・人づくり・国家観~」を掲げ、「受験競争からの解放」などをあげています。政見放送でもここまでです。これだけなら反対する人はほとんどいないでしょう。
「日本人を育む教育」の中身は何なのか。同党のHPにある「衆議院選挙政策」でも「日本が好きになる歴史教育等を通し、主権者意識・公共心・日本人の誇りを育む」というだけです。
さらに進むと「参政党の政策2026」が出てきます。そこには「日本の目指すべき姿を具現化する7つの政策」があり、その1番目に「教育」が挙げられています。「かつて教えられていた日本の国の成り立ちや偉人の功績が十分に教えられず、日本は悪いことをした国だと教える教育が続いた」と嘆き、「推進する主な教育内容」のトップとしてこう明記しています。
「神話など祖先からの繋がりや為政者が民の幸福を願う国柄のあり方を学ぶ教育」
ここでやっと同党の本音が明かされています。同党が「推進する主な教育」の第1は、「神話」なのです。
「神話」とは、「古事記」による「記神話」(『岩波 天皇・皇室辞典』)や「日本書紀」による「紀神話」(同)による天皇神話であり、「神話など祖先からの繋がり」とは、「万世一系の天皇」との「繋がり」を意味することは明らかです。
参政党のこうした天皇主義の「教育政策」は、その綱領に端を発しています。綱領の第1の柱は、「先人の叡智を活かし、天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくる」(同党HPより)です。
同党は明白な天皇主義政党です。それは同党の改憲案(「新日本憲法 構想案」)をみればさらに鮮明です。
改憲案は、「前文」で「日本は…八百万の神と祖先を祀り…天皇は、いにしえより国をしらす(日本を治める)こと悠久であり…これが今も続く日本の國體である」とし、第一条で「日本は、天皇のしらす君民一体の国家である」と明記しています。
参政党は「今も天皇が日本をしらす=治める」という認識に基づき、それを憲法に明記しようとしている正真正銘の天皇中心主義政党です。同党が推進しようとする「神話」教育は現代版・皇民化教育に他なりません。
同党が嘆いている「日本は悪いことをした国だと教える教育」とは天皇制国家が強行した侵略戦争・植民地支配の歴史についての教育のことです(実際は参政党が嘆くほどの教育はなされていませんが)。
参政党を支持する人の中には確信的右派もいるでしょうが、漠然とした印象で「支持」している人は、同党の「天皇統治・皇民化教育復活強化」まで支持するのか、立ち止まって再考する必要があるでしょう。
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