2月17日のレイバーネットTV225号は「非正規春闘」特集でした。たまたま同じ週のブッククラブ読書会で『新しい階級社会』(橋本健二)を取り上げました。橋本氏は、現在の日本は一億総中流時代が崩壊し7人に1人が「アンダークラス」(約900万人)に置かれていて、その平均年収は約200万円で、低賃金と不安定な雇用環境を強いられると指摘しています。またに「非正規雇用」の拡大がもたらした現実です。

 今回のレイバーネットTVは、非正規問題の本質と実態に迫る内容になりました。タイトルは「2026春闘:非正規労働者の闘い〜働く尊厳を守る、2100万人の賃上げ回路を」で、労働問題専門のジャーナリスト東海林智さんをキャスターに、非正規の現場から、川辺隆さん(出版情報関連ユニオン)、鴫原宏一朗さん(仙台けやきユニオン)が出演しました。「非正規の汗と涙で世は廻り」、スタジオの背景にはたくさんの「非正規川柳」が掲げられました。

 東海林智さんは、春闘全体の状況を解説しましたが、とくに数年前からはじまった「非正規春闘」の意義を語りました。「連合など組合があるところは賃上げ交渉ができるが、非正規はほとんど賃上げの回路をもっていない。その意味でも『非正規春闘』の役割は大きい。ことしは35労組、4万人が10%以上の賃上げを求めて全国各地で運動を起こしている。注目したい」と。

 「出版情報関連ユニオン」の川辺さん(写真左)は、「サンキョウ・ロジ・アソシエート」という物流会社で働いています。賃金は、最低賃金なのでダブルワークしています。某テレビ局から「非正規問題」番組の出演の打診がありましたが、川辺さんが結婚していることがわかると断ってきました。「川辺さんは結婚しているのでまだ恵まれている」というのです。番組で、川辺さんは職場の仲間の実態を話しました。「会社の社食が昨年、20%も値上がりしました。働いている仲間は最低賃金でみんな10万そこそこです。だから社食の値上がりはきつかったです。昼をコーヒー牛乳1本で済ます人、食パンを分けて食べる人、カップラーメンでしのぐ人などが現れました」。非正規労働者は、「フルタイムで働いているのに食えない」現実をリアルに語りました。

 仙台けやきユニオンの鴫原宏一朗さん(写真右)が報告。けやきユニオンには学費が払えず、生活に困っている外国人留学生(日本語学校)が多数、加わっています。バングラデシュの留学生は、ヤマト運輸で夜勤の仕分け作業をしていますが、とても生活できないと「非正規春闘」で25%の賃上げを要求してます。この活動にはスキマバイトの日本人労働者も加わりました。鴫原宏一朗さんは写真を交えて、たたかう外国人の様子をレポートしましたが、かれらのたくましいパワーを知ることができました。
 まだまだ小さいですが、「非正規春闘」は草の根から、確実に怒りの炎を上げています。アーカイブ(83分)をご覧ください。(レイバーネットTVプロジェクト)