
今年最後の第223号放送は12月10日、恒例の「映画と本で振りかえる2025年」をお送りしました。大場ひろみ、志真秀弘、堀切さとみ、永田浩三の各氏が出演し、映画と本について大いに語りました。本のパートが30分、映画のパートが予告編上映も含めて60分で、全体は90分ほどの放送でした。

とりあげた本・映画はさまざまなジャンルで、いまの社会が抱える問題が凝縮していました。くっきり時代が見えてきました。しかも新鮮で楽しい、勉強になるものばかり。あなたが年末年始に読みたい本、観たい映画もきっと見つかることでしょう。

アーカイブをぜひご覧いただき、広げてください。なお、番組にあわせてアンケート「あなたの一押し映画・本」を募集したところ、24件が寄せられました。放送では時間の関係もあり、ほんの一部しか紹介できませんでしたが、以下、全文を紹介します。(レイバーネットTVプロジェクト)

●「映画と本で振りかえる2025年」アンケート紹介(全24件)
*映画・本のタイトルとコメントです。到着順。
01 蓼沼紘明
映画:なし
本:「アフリカ哲学全史」
〔コメント〕ガザのジェノサイドを許している欧米の「人権の普遍性の思想」はダブルスタンダードで虚構であることが極めて明白になりました。日本人も欧米中心に気付かずに毒され、今なお、この思想の「タテマエ」に乗って安穏としています。ジョン・ロックやカントなど啓蒙主義・西洋哲学の主流が人種差別や植民地主義を正当化する基盤を作ってきたことを論じている類書の中では、一番丁寧だと思います。
02 白石 孝
映画:『1987、ある闘いの真実』
〔コメント〕2017年韓国映画。1987年1月の朴鍾哲拷問死事件から6月民主抗争を描いているが、今年6月、拷問の舞台になった場所(南営駅脇)が民主化運動記念館として本格開館した。ソウルに行く時は、ここをぜひ訪問してほしく、それとともにこの映画も改めて観てほしい。
本:『写真集キャンドル革命~政権交代を生んだ韓国の市民民主主義』
〔コメント〕2016‐7年のキャンドル革命の写真集だが、24‐5年の「光の革命」の原点を記録している。「市民民主主義」の実相が写真と記録でよく分かる韓国現代史必須の1冊。出版社(コモンズ)が廃業するため、筆者が在庫を買い取っている。
03 わたなべ・みおき
映画:『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』
〔コメント〕何ともやりきれないパレスチナの状況が,ひしひしと伝わってくる。
本:『不寛容論』森本あんり
〔コメント〕何故トランプが大統領に選ばれるのか。ピューリタンの思想を、W.ロジャースを読みながら紐解く。他者との共存には不寛容であることが必要、宗教(信じていること)と、政治(世俗)は分けて、心の良心は独立して守られるべきである、等、目から鱗の考え方が非常に読みやすく書かれている。先頭の疑問が解かれた。
04 わだともこ
映画:『手に魂を込め、歩いてみれば』
〔コメント〕これ以外ありえない!まだ見てないけど。12月5日公開。
本:「風成の女たち」(松下竜一著)
〔コメント〕『女の休日』と書いてあるフォームがたくさん届いていることと思いますが、日本の女たちも50年前すごいことをやってのけてまっせ!
05 那須研一
映画:『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』
〔コメント〕ヨルダン川西岸で現在進行中の植民地主義の暴力。生活用水を汲む井戸にコンクリートを流し込む女性兵士が住人の抗議に対して「仕事の邪魔をしないでください」。そんな「仕事」、私はしていない、と言えるだろうか?
本:「小さなユリと」
〔コメント〕黒田三郎の65年前の詩集の復刻版。平易な表現で日常を描いているように見えるが、考え抜かれて編まれた、言葉によるアート作品。「小さな人」の存在で生かされる孤独な魂が私に共鳴する。
06 秋沢陽吉
映画:なし
本:「渡来人とは誰かー海を行き交う考古学」高田貫太 ちくま新書
〔コメント〕倭が任那を植民地にして新羅や百済を属国にしていたことは学会では完全に否定された。3から6世紀の倭と朝鮮半島とを人々が相互に渡来して鉄器や窯業や馬等の産業や文化の交流をした。ゆるやかな共生の姿を浮かび上がらせる優れた著書だ。つまり純粋日本人なぞという発想は成り立たないのだ。戦争を煽る右翼が政権を握る今、戦後の歴史を直視するとともにこの時代をも見つめてみたい。
07 土屋トカチ
映画:『女性の休日』
〔コメント〕1975年10月24日、アイスランドの全女性の9割が参加したムーブメント「女性の休日」をアメリカ人女性監督が7年の歳月をかけて制作したドキュメンタリー。50年前の出来事を当時の参加者が語るのだが、そのいきいきとした表情や佇まいに涙が止まらない。当初は「休日」ではなく「ストライキ」として計画されたと知り、胸が躍った。かなりエンパワーメントされます。レイバー映画祭で上映したいですね。
本:「ヤンキーと地元」打越正行
〔コメント〕2024年に45歳で逝去された、社会学者・和光大学教員の打越正行さん。彼が10年以上の歳月をかけ、暴走族のパシリーをしながら描いたものは、闇の仕事や建設業、地元の厳しい上下関係の中で生きている、沖縄の若者たちの苦々しい現実…。でも、これは沖縄だけのことではないと感じる。打越さんは自らの講義で拙作『フツーの仕事がしたい』を上映してくれていたという。感謝。生きているうちに会いたかった。
08 しまひでひろ
映画:『東京タクシー』(山田洋次監督)
〔コメント〕こんな世の中にするために生きてきたんだろうか? 山田洋次監督の嘆きと怒りが伝わってきます。朝鮮への帰還運動を映画にしたのは浦山桐郎(『キューポラのある街』)とこの『東京タクシー』の二作以外にあるだろうか。施設に入る前に自分が育った東京の街を見ておきたいと老婦人(倍賞千恵子)は願う。まず東京大空襲に遭った言問橋に向かう。タクシー運転手(木村拓哉・好演)に語る彼女の身の上話は戦後を生きたものにとって他人事ではない。
本:『「核抑止論」の虚構』(豊下楢彦)
〔コメント〕非核三原則を投げ捨てようとする自民・維新連立政権をそのままにはできないと痛切に思う。この本は「核抑止論」の欺瞞を根っこのところから明らかにする。映画『博士の異常な愛情』を紹介しながら問題を投げかけていく冒頭の叙述は、緊迫感に満ちていて引き込まれる。自民・維新政権のやろうとしていることは明らかなのに、支持率が高いというのには戦慄さえ覚える。99パーセントの力でなんとかしなければ、本当に困る。
09 小野政美
映画:『豹変と沈黙~日記でたどる沖縄戦への道』(原義和監督・2025)
〔コメント〕元日本兵が戦地で書いた日記を基に、日中戦争から沖縄戦への道をたどるドキュメンタリー映画『豹変と沈黙』。原義和監督には、『夜明け前のうた 消された沖縄の障害者』がある。日記に書かれた筆跡映像、朗読、毛筆によるアクション書道も印象的だ。戦場での体験を親族にも語らなかった元日本兵は多い。4人の兵隊の「戦中日記」を丁寧に読み解き歴史の真実に迫る。遺族の証言も交えて当時の兵士の心情に迫る。日記に書かれた兵士個人の苦悩や捕虜の殺害や略奪といった日本軍の加害の歴史。1937年12月、中国国民政府の首都・南京に進軍した兵士は、蛇1匹を殺すのも出来なかったが目の前で戦友を亡くしたことで一変する。中国側の敗残兵を銃剣で突き、石で頭を割って殺害したとし、「胸のすくやうな思ひ。人殺しをした後は却って飯がうまい」と書く。日記を前に兵士の息子は「ここまで人間は変わってしまうのか。優しい父親が惨殺したことに驚きショックだった」と語る。南京攻略戦に関わった兵士は、初めて中国兵を殺した時の衝撃とともに、休日に「慰安所」に行ったことも書き残していた。沖縄を拠点にする原義和監督は、「日記からは兵士の緊張や感情の揺れが伝わり、国家による加害の一端も表れている」と語り。作品では、沖縄戦を指揮した牛島満司令官らが、南京攻略に関わっていたことにも着目。原さんは「沖縄戦の前史として日中戦争があり、住民より国体を守ろうとした日本軍の本質は共通する」「戦争は兵士たちを豹変させ、戦後も苦しみしか残さなかった」と語っている。必見のドキュメンタリー映画だ。
本:『スガモプリズン――占領下の「異空間」』(内海愛子著・2025.8・岩波新書)
〔コメント〕長年にわたり、「朝鮮人BC級戦犯」や「日本軍の捕虜政策」、「日本の植民地支配責任」などについて多くの調査研究をおこなってきた内海愛子さんの新著は、スガモプリズン(巣鴨刑務所)の塀の中で戦犯たちは何を思い、見つめていたのか。十数年に及ぶスガモプリズン(巣鴨刑務所)運営の全体像を描いたものであり、新書ではあるが極めて歴史的意義のある著作である。日本の植民地・日本軍占領地で捕虜の監視などに就かされた朝鮮人・台湾人はスガモプリズンに多数収容され過酷な扱いを受けた。言論などに制限が多かったスガモプリズン(巣鴨刑務所)の塀の中の日々。敗戦直後にスガモプリズンに収容された戦犯たちが何を思い、どんな暮らしぶりだったのか。十数年に及ぶスガモプリズン(巣鴨刑務所)運営の全体像を描き、塀の向こうに置きざりにされた戦争責任を問い直すものであり、2025年、「敗戦後80年」のメディアの「八月ジャーナリズム」のほとんどが「被害者・日本人視点」での報道であった敗戦80年8月の地平に釘を刺す著作である。著書から当事者の声や表情が生き生きと伝わり、内海さんの当事者への熱い思いと事実を重んじる研究者魂が心に突き刺さる。
10 尾澤邦子
映画:『黒川の女たち』
〔コメント〕戦争は、人から理性を奪うと感じました。犠牲になった女性たちがさらに差別されたのは、絶対に許せない。勇気を出して告発した女性たちに敬意を表したいし、多くの人たちに観て考えてほしい映画です。
本:なし
11 高橋峰子
映画:『いつかの君にもわかること』
〔コメント〕レイバー関係者が見なさそうなのをあえて選びたく、バカバカしく面白すぎる『アフリカン・カンフー・ナチス2逆襲のロボトラー』or 心温まるイタリア映画で迷った。やはり一番は、余命短いシングルファーザーが息子を託す親を探す『いつかの君にもわかること』。単純なストーリーと意外なラスト、子役が超カワイイ! 心に残る映画。
本:「憲法を取り戻す〜私たちの立憲主義再入門」(前田朗:編 三一書房 2025/4/18発行)
〔コメント〕1945年12月の選挙法改正で、沖縄県民と旧植民地出身者の選挙権が停止されたこと、排除と身分制温存がジェンダーギャップ拡大の大元であることを知った。憲法のいいところがなおざりにされ、内包する矛盾が悪用されるのは、私たちの不甲斐なさゆえかと複雑な気持ちになった。
12 森 健一
映画:『ヒポクラテスの盲点』
〔コメント〕コロナ禍のmRNAワクチンがもつ薬害性の問題を手堅い実証の手法で取材、構成している。公衆衛生上の「効能」と個々の薬害被害とのバランスを誰が最終的に判断していのか、きわめてあやしい。一方の宣伝をうのみにはしないとの立場を確かめられた。
本:豊下楢彦『「核抑止論」の虚構』
〔コメント〕軍事論から核兵器が相互抑止とはならず、世界は「ダモクレスの剣の下」で暮らしている。通常戦争を起こしやすくすることも述べている。加えて、日本の戦後外交が、東アジアの「非核地帯化」を追求することが、じつは最大の安全保障政策になることを21世紀の日本の国家ビジョンとして述べている。
13 為子
映画:『地下の民』
〔コメント〕『第一の敵』を先にみることをお勧めします。ゲリラとの処刑シーン(無音にして民たちを丁寧に撮っていた)が地下の民では・・。そこをみて頂きたい。
本:「複合汚染」
〔コメント〕昭和49年に朝日新聞の朝刊に連載された小説。有吉佐和子氏の作家、書き手としての覚悟に圧倒された。はじめの参議院選挙の話も面白い。
14 黄金餅
映画:『フォーチュン・クッキー』
〔コメント〕アメリカにアフガニスタンからの避難民が、いること、辛さ、がよくわかる映画。ヒロインも、アフガニスタンに残してきた家族のことを思う。しかし、彼女はアメリカ軍で働いていたため、アメリカ軍引き上げの後、身の危険を考え、アメリカに来るしかなかった。そんな状況の人が、どんなように考えてるか、考えたこともなかった自分があった。ヒロイン自体が、本当にアフガンからの避難者。ちょうど、アフガンからの避難民が射殺事件を起こしたと言われる今、アメリカにいる彼女たち、状況がどうなったろうか、と、新聞を見るたびに思い浮かぶ。
本:なし
15 ジョニーH
映画:『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
〔コメント〕社会矛盾に抗った米国のミュージシャンが大勢の出てワクワクしました。ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、ピート・シーガー、ウディ・ガスリー、マリア・マルダー、ジョニー・キャッシュ、e.t.c.
本:「学ぶこと生きること〜女性として考える」著者:猿橋勝子
〔コメント〕米国のビキニ水爆実験の「死の灰」による放射能汚染を分析し、米国まで行って核兵器の危険性を訴えた猿橋勝子。子どもの頃に「雨はどうして降るのか?」という疑問を抱き科学を勉強す。
16 四國 光
映画:『宝島』
〔コメント〕これほど、沖縄の問題(すなわち日本の問題)に対して、果敢に切り込んだ映画は近年あまり見当たらない。しかも、それを、誰にでもアクセスしやすいエンタメ映画として取り上げた決断に拍手したい。確かに3時間という長さと、ストーリーが多少追いにくい側面はあるが、それにしても、興行成績が伴ってないことが大変残念。
本:『原爆と俳句』永田浩三
〔コメント〕原爆と俳句、というこれまであまり意識されてこなかった側面に、長年に渡る丁寧な調査とインタビュー取材で切り込んだ、恐らくこれまで他に例がない画期作。俳句という極めて短い言葉で、ここまでの表現、そして、理不尽に対する抗議の叫びをあげることができることに、私を含め、読まれた方は驚愕されたことと思う。短い言葉による「表現の力」をまざまざと突きつけながら、読者の姿勢を問いただす。凄い本だ。
17 小林明隆
映画:『アジアのユニークな国』
〔コメント〕R18+作品で、ポルノ映画風なものだが、それは観客を呼ぶためと周囲から上映が不可能になるような余計な反感を買わないための趣向であり、もっとも言いたいことは、表現の自由の大切さ、といったことでしょうか。年若い、と言っても40歳近い感じの妻がいて、子はいない。夫は給料も安いし仕事に満足していない。妻は、夫が出勤した後は、身体不自由で認知症の義父の介護をしながら、2階の夫婦の寝室に客を招いて風俗営業をしている。相手次第で本番もするが、安倍晋三が好きな客にはそういうサービスをしないで早々に追い返してしまう。夫は、妻のパソコンで在宅ワークをしているというコトバを信じていて、父を介護してくれて家計も助けてくれる妻に深く感謝している。映画の中に直接的な政治的なメッセージがあるというよりは、「ああ、そういえば8年8カ月も続いた安倍晋三の治世があったのだ。その間に、日本社会の表現の自由は狭められ、かろうじて留まったのだ」といまさらながら思い起こさせられました。そして、老人介護とか勤労者の所得が上がらないこと、総じて小さく、衰えつつなりながら、なお、相互に監視し合うようせせこましさは変わらない日本社会を、単純で狭い家庭の中を描きながら思い起こさせる寓話性とか、いろいろあっても何となくハッピーエンディングになるファンタジー性を兼ね備えた良い映画だと思いました。
本:「この地獄を生きるのだ」
〔コメント〕最初は2017年に出版された本ですが、2025年11月にちくま文庫版が出ました。うつ病や生活保護を受けた体験が生々しく、飾らずに書かれていて、良い本だと思いました
18 馬場朋子
映画:『非常戒厳前夜』
〔コメント〕昨年12月の韓国非常戒厳令。独立系メディア「ニュース打破」の記者たちは言論弾圧に屈せずカメラを回し続けた。このドキュメンタリーは、民主主義と報道の自由を問い、少数でも真実を伝える声の尊さを示す。日本の私たちにも通じる希望の物語。
本:なし
19 山根尚子
映画:『コンドル』1975年
〔コメント〕今年亡くなったR.レッドフォードに愛と敬意を込めて。私の”彼の映画ベスト5”の一つ。高校時代、映画館で観て、眉目秀麗ハンサムガイに一目惚れ。CIA図書館員がその闇にひとり闘う。R.レッドフォードはこれを皮切りに次々と社会派作品に出演、監督、サンダンス映画祭を起ち上げていく。アマゾンプライムにて鑑賞可能。
本:「生殖記」
〔コメント〕30歳代男性尚成の生殖器の日記で、タイトル通り。好きものの下半身は別人格と言われたものだが、まさに別人格なのだからこんな小説もあり。尚成はLGBTQのGで、子ども期からのいじめから脱するための彼の編み出した行動パターン、生き方、経済学論にぐいぐい惹き込まれる。生殖器の思考の飄々ぶりもコミカルで、分厚い本もあっという間に読み終えた。
20 堀切さとみ
映画:『うしろから撮るな~俳優織本順吉の人生』
〔コメント〕2千本の映画やドラマに出演した脇役俳優の最後の四年間を、娘が記録した。台詞が覚えられなくなり、おむつを履くようになり、泣き言をぶつける。悲しいけれど笑える。「人は未完成のままで終わるんだよ」という台詞がしみた。
本:「戦争トラウマを生きる」(黒井秋夫・蟻塚亮二著)
〔コメント〕日本社会は戦争を観なかったふりをして、戦後の経済活動にモーレツに走ったのではないか。復員兵たちの中にはそんな手のひら返しについていけず、家族に暴力をふるうことでかろうじて生きのびた人もいる。負の歴史に向き合わないこの国のあり方を、深く考えさせる対談集。
21 松原 明
映画:『ヒポクラテスの盲点』
〔コメント〕国策である新型コロナワクチン接種事業が薬害を生んでいることを、ストレートにしかも緻密に告発している。今後、被害規模は拡大し戦後最大の薬害事件に発展する予感がする。その意味でも、このドキュメンタリー映画が果たす役割は大きい。
本:「ルポ 軍事優先社会」
〔コメント〕ここまで来ている戦争準備。本土のオキナワ化、安保三文書の具体化が進行する「日本のいま」を現場からレポートしている。
22 深沼マリ
映画:『Dr.カキゾエ 歩く処方箋』~みちのく潮風トレイル1200キロを往く~
〔コメント〕昨日、川越スカラ座にて、上映会プラスDr.カキゾエ&野澤監督のアフタートークがありました。
本:「ソノヒトカエラズ」
〔コメント〕美しい詩集! 一つ一つ景色が立ち上がってくるようで、悲しい。
23 江盛由季
映画:『だぁほ‼︎〜パギやん、愛と怒りの遺言』
〔コメント〕この映画のおかげで、「済州四・三」と「5・18光州民主化運動」について詳しく知る事ができました。以前仕事でお会いした同世代の韓国の方から、戒厳令が敷かれていた頃の韓国のお話しを伺い、その前後の事も知りたいと思っていました。映画のパンフレットには、「済州四・三」と「光州民主化運動」を題材にした作品も紹介されていて、とても親切だと思いました。パギやんが映画の最後の方で「孫は6世になるのに」と呟かれていたのが心に残っています。沖縄、アイヌ、広島、韓国をめぐるロードムービー。そのすべての場所にパギやんの同志がいて、皆んなが本音を語っていて、とても熱い映画でした。多くの方にみてほしいです。
本:朗読詩「ひろしまの子」
〔コメント〕生涯を平和と反戦とヒロシマに捧げた「四國五郎」さんを多くの方に知ってほしくて、特に子どもたちに知ってほしくて「おこりじぞう」をすすめていましたが、怖い話しは難しいと言われる事もありました。そんな方でも「ひろしまの子」は受け入れやすいと思います。朗読詩となっていますので、自分達も朗読してみようかと参加しやすいのもとても良いと思います。「ひろしまの子」で四國五郎さんに興味を持ち、「おこりじぞう」をはじめとした「四國五郎」ワールドに引き込まれて、平和、反核、反戦への思いを強くしてほしいです。
24 たら
映画:『郡上一揆』(2000年 神山征二郎監督)
〔コメント〕25年前に作られた映画ですが、たまたま今年観ることができたのですが、衝撃の群像史劇でした。百姓一揆は、江戸時代に3200件起きたといわれていますが、中でも幕政にまで影響を与えた江戸中期の郡上一揆を、史実に忠実に描いた大作です。当時の働く人々が誇り高く生き闘ってきた歴史を知ることで、現代の闘いについて、考えさせられました。同時に、自国に、誇れる歴史があったと知ることは、地に足が付くような感覚があり、もっとこの辺の歴史を調べたいと思っています。「れいわの百姓一揆」の行動も起きている時代に、多くの人に大きな画面で観てほしいと願って、一押しはこちらにしました。
本:「世界が見た福島原発災害」(大沼安史著)
〔コメント〕福島原発事故に関していろいろな本を読んできましたが、この本は、元北海道新聞の記者だった大沼安史氏が、海外の情報と国内の情報をとりながら、書き続けてくださった労作です。7巻まで出されていますが、いまだ明らかになっていない事故原因についても、大沼氏は事実を積み上げて書かれていて、貴重と思い推薦します。
以上


