
6月11日のレイバーネットTVには、社民党の参議院議員大椿ゆうこさんが登場した。タイトルは、「政治は私たちの手で変えられるー国会で奮闘する大椿ゆうこさん」。
2023年4月繰り上げ当選してからの二年間で質問回数は42回。番組の冒頭で、公益通報者を自殺に追い込んだ兵庫県の文書問題、パタゴニアの無期雇用転換逃れといった問題について、本会議で大臣相手に質問する大椿さんの動画を紹介した。感情的に攻撃するのでなく、説明責任をきちんと引き出していく。その姿は圧巻で清々しく、ずっと見入ってしまいたくなる。
れいわの山本太郎や、共産党の田村智子のように妥協のない質問をする議員は増えているが、大椿さんの根底にあるのは「労働者が使い捨てにされてたまるか」という思いだろう。彼女がいう労働者とは、4割をしめる非正規労働者だけでなく、国や地方自治体で誠実に働く人たち、そして83年前の落盤事故で海に沈んだ炭鉱労働者にまで及ぶ。
今回でレイバーネットТV3度目の大椿さん。最初に出演した時は労働争議を闘う当事者だった。自身が氷河期世代、非正規で働くしかない時代を生き、雇止めにあった。司会進行の後呂良子さんもメトロコマースの非正規労働者として働き、正規との格差是正を求めて闘った。「誰もが最初から闘う労働者だったのではない。どうやって声をあげたらいいんだろうと考え、経験しながら逞しくなっていった」という大椿さん。その底力が国会で発揮されるとどういうことになるか。ぜひアーカイブを観てほしい。(堀切さとみ)
