志真秀弘です。

5月31日(土)第53回レイバーブッククラブ読書会が郵政共同センターで開かれました。

テキストは『ルポ 軍事優先社会』(吉田敏浩、岩波新書)。参加者はオンライン7人を含め10人で、活発な議論がされました。

「集団的自衛権」(2014年)そして「安保三文書」(2022年)のいずれもが閣議決定で決められ国会で論議しないで通されたことは、現在の政治状況を端的に示している。議論抜きで進行してしまうから事態は断片的にしか伝わらない。反対運動を散発的なものにしてしまう、これは一種の策略ではないか。

本書は、読者にこの経緯を歴史的なものとして捉えるように促している。たった今の反戦運動、平和運動の必須テキストとの意見が多かった。今の社会の成り立ちを鋭く捉えている本だとの発言もあった。行政がこの「政治」に巻き込まれないように声を上げたい。

「自治体は空港・港湾の軍事利用を拒否できる」という指摘はその点で重要だ。国会などを見ていると現状全体が無抵抗に見える。だが決してそうではない。著者は抵抗する人たちを数多く紹介している。また今の学術会議問題の先頭にいる小野政美さんは「闘いに加わる若い人もいる。運動の状況を多面的に見て変化の兆しを捉えることの重要性」を強調した。

▶︎次回ブッククラブ読書会は 8月2日(土)午後2時開会です。場所は郵政共同センターでオンライン参加もできます。テキストは『テクノ封建制』(ヤニス・バルファキス、1800円、集英社)です。著者はギリシャが経済危機に陥った時の財務大臣。資本主義の変容への思い切った分析が示されています。参加して大いに議論しましょう。