
<小野政美>
2021年3月6日にウィシュマさんが名古屋入管で亡くなって5年の月日が経ちました。
ウィシュマさんの命日である3月6日には、名古屋で、ウィシュマさん追悼の催し3月6日(金曜日)11時より12時まで、名古屋入管前アクションを行います。ご自分のメッセージ等を書かれたボード等を持って来て頂ければ幸いです。名古屋入管は、名古屋駅新幹線側の「あおなみ線」に約15分乗車、「港北駅」で下車1分です。
(1)スリランカから日本で英語の教師になるのを夢みて日本に語学留学したウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)は、名古屋出入国在留管理局施設で収容当時、体調不良の訴えや極度の体重減少があり、飢餓状態で点滴治療や、原因となる緊急入院治療が必要であり点滴治療や緊急入院治療を求めていました。収容された名古屋入管施設で、飢餓状態になるほどの体調悪化し亡くなりました。
2020年8月20日から収容されたウィシュマさんは、遅くとも2021年1月18日ごろには摂食困難となり、2月15日の尿検査で「ウロビリノーゲン3+」「ケトン体3+」「蛋白質3+」を示しました。これは「飢餓状態」で電解質異常や腎機能障害を起こしている可能性を意味するのにもかかわらず、本人や支援者が再三求めた点滴や入院、一時的に収容を解く「仮放免」も許されないまま死亡しました。2021年2月23日の名古屋入管施設で撮影された映像では、「担当さん、病院の点滴お願い」、「もうがまんできない、息もできない」と訴えている声が記録されています。3月3日付の「申出書」には「薬をください」という言葉もあります。その3日後、2021年3月6日、ウィシュマ・サンダマリさんの「ワタシ シヌ、コンバン シヌ」という最後の訴えや、点滴と外部病院への緊急搬送を求める支援者の訴えにもかかわらず、救急搬送もされず、飢餓状態であることがわかっていながら、病院に救急搬送されることもなく、点滴などの治療も受けられないまま亡くなりました。ウィシュマさんが収容された部屋を真上から撮影した監視カメラ映像にも「点滴をお願い」と職員に懇願するウィシュマさんの声が記録されていました。
◆ウィシュマさんが名古屋入管施設で亡くなる直前のつらすぎる映像(共同通信;TBS2025.21配信;6分余)を、以下をクリックしてご覧ください。
【詳報】ウィシュマさんの映像公開 亡くなる前の監視カメラ
https://www.youtube.com/watch?v=X-FKLGd3pYw
TBS NEWS DIG
https://www.youtube.com/watch?v=jYfAhHnFk8Y
(2)ウィシュマさんの命日である3月6日の追悼アクションのお知らせ4件と次回裁判のお知らせ
◆「START~外国人労働者・難民と共に歩む会~」
メールアドレス start_tokai2011@yahoo.co.jp
ホームページ https://start-support.amebaownd.com/
https://www.facebook.com/photo?fbid=3245684532259913&set=a.316175378544191
① ウィシュマさんの命日である3月6日の追悼アクションのお知らせをいたします。
2021年3月6日に名古屋入管の収容施設内で、ウィシュマさんが亡くなってから5年が経ちます。
事件の真相究明、再発防止を求めて、ご遺族が国賠訴訟を開始してからすでに4年が経ちましたが、入管は未だにウィシュマさんの死の責任を認めていません。証拠となる監視カメラ映像を隠し、入管職員への尋問も反対し、さらには医療の問題に矮小化し、入管の収容における責任追及がされないよう、逃げています。外に出たい、生きたい、ウィシュマさんの命の懇願を無視して見殺しにしたことは明らかです。もし日本人なら、アメリカ人なら、こんなことは起きたでしょうか。
ご遺族とともに入管の民族差別に反対し、真相究明・再発防止と実現しましょう。
【日時】2026年3月6日(金)11:00-12:00
【場所】名古屋出入国在留管理局前
ぜひご参加ください。
②「入管闘争市民連合」加盟団体では、名古屋のほか、以下の各アクションが予定されています。
◆東京:3月6日 新宿でスタンディング 16時~17時
◆大阪:3月6日(金)19時開始 場所:ヨドバシ梅田前
◆広島:3月1日(日)13時〜14時 広島市八丁堀福屋前
③ウィシュマさんを偲ぶ鐘つき〜鐘の音に願いを込めて〜
2026年3月6日(金)
14:00頃 ご遺族らの到着と共に鐘つき開始
(撞く回数は10回程度。出来れば、事前にご連絡下さい)
14:30 原告代理人弁護士らによる報告
15:25(ウィシュマさん死亡時刻)を挟んで有志僧侶達によるお勤め
ご遺族の挨拶
※その後、参列者への紅茶、粗食などの提供があります。
連絡先 明通寺 0567-24-1248
④ウィシュマさんの命日に、名古屋駅前で追悼お茶アクションを行います。
スリランカのお茶とお菓子を用意していますので、少しでもお立ち寄りください。
ウィシュマさん追悼 お茶アクション
名古屋入管で亡くなったウィシュマさんを追悼します。
3月6日(金)17:00〜19:00 雨天中止
名古屋駅桜通口名古屋駅交番近く
スリランカのお茶やお菓子があります よかったらおしゃべりしましょう
下宿館 @geshukukan https://x.com/geshukukan/status/2025154622512648420
⑤ウィシュマさん名古屋入管死亡事件国賠訴訟第25回口頭弁論
日時 2026年3月11日(水) 14:30~15:30(予定)
場所 名古屋地方裁判所・第2号法定
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000094#case_tab
(3)1月28日、「ウィシュマさん名古屋入管死亡事件裁判」第24回裁判が、名古屋地裁で行われました。原告・遺族側推薦の、下(しも)正宗医師(東京勤労者医療会東葛病院臨床検査科科長;日本専門医機構認定病理専門医・臨床検査専門医・総合診療医)の証人尋問は、被告・国側の主張、被告・国側の医師尋問に対する、今川篤子医師に続く原告・遺族側推薦の最後の下(しも)医師の証人尋問でした。法廷には、前回参加できなかったご遺族・原告のポールニマさんも参加されました。
下正宗医師は、食事や看護記録、尿・血液検査の結果などを基に、ウィシュマさんが、脱水と飢餓で血液循環量が減少し、ビタミンB1不足から心不全の脚気心を引き起こして、ショック状態に陥り、多臓器不全で死亡したとの見方を示しました。ウィシュマさんの死因について、脱水や飢餓などが複合的に影響したと説明し、救命機会が死亡当日まで3回あったと述べ、最初の救命機会として、尿検査で飢餓状態を疑う異常値が出た死亡約3週間前を挙げ、通常なら血液検査し点滴する、尿検査の結果を受けて、その時点ですぐに血液検査で原因を調べ、適切な医療措置がされていれば、亡くなる事態は想定されなかったと証言し、死亡の2日前や当日に血圧が測定不能となったり異常な深い呼吸がみられたりした点から、人工呼吸器や人工透析などの対応が必要で、この時点でも救命できた可能性は低くなかったと証言しました。尿検査の結果や入管職員の観察記録などから、ウィシュマさんが危険な状態になりつつあることは把握可能で、原因を特定するために必要な検査が速やかに実施されるべきだったと証言しました。
ご遺族・原告のポールニマさんは、裁判後、記者会見で次のような意見を述べられました。「今日は特別な日だった。下(しも)医師の証言で、姉ウィシュマの死因が栄養不良・脱水・ビタミンB1不足などによるものだということ、姉ウィシュマの命を救うことができるのに、入管が救わなかったことがよく分かった。下(しも)医師の言葉が心に響いた。姉ウィシュマの命を救うことができる機会が何回もあったのに、命を救うことができず、死に至らしめたことが悔しい。多くの日本の支援者、弁護団に心から感謝したい。これからもよろしくお願いします。」
1月14日の法廷での原告・遺族側推薦の今川篤子医師(東京勤労者医療会あびこ診療所所長)の証人尋問では、これまでの法廷での証人尋問での被告・国側推薦の庁内医師・新美医師、野村医師などの以下の結論、これまで被告・国側の主張、被告・国側の証人尋問への全面的反論となる重要な法廷になりました。今井篤子医師は、①「2月15日の尿検査」、②尿検査以外で、ウィシュマさんの体に見られていた変化、③ウィシュマさんの筆跡の変化から推察される当時の病態について証言しました。今川篤子医師は、死亡約3週間前、2021年2月15日の尿検査で、飢餓、肝機能障害、腎機能障害を疑う数値が出ていて、その程度の重いものであったとして、「外部医療機関で診断や治療を依頼すべきだった」、血液検査で病状を正確に把握していれば、「救命できる可能性が高かった」と証言しました。2020年8月に、84.9キロだった体重が、2021年3月6日の2週間前には66.5キロまで減少していたことを踏まえ、低栄養、脱水、ビタミンB1欠乏症の状態などの所見が見落とされ、重症化しいるのもかかわらず、適切な治療が行われなかったためにウィシュマさんは死亡したと指摘し、血液検査で病状を正確に把握していれば、「救命できる可能性はあった」と証言し、法廷の最後の裁判官が数回にわたり、「ウィシュマさんの命はどの古来の確率で救うことができたと考えますか?」という尋問に対して、今川篤子医師は、「8割くらいの確率で救えたのではないか」と答えて、「ウィシュマさんの命は救命できたと思うと非常に残念だ」と証言しました。
1月14日の法廷での原告・遺族側推薦の今川篤子医師の証言と、1月28日の原告・遺族側推薦の、下(しも)正宗医師、被告・国側の死因不明の意見、被告・国側の名古屋入管内勤務医・新美医師、被告・国側「意見書」を書いた野村医師の証人尋問の誤りや矛盾がさらに明らかになり、名古屋地裁の3人の裁判官が、名古屋入管施設で死亡したウィシュマさんの国家賠償訴訟において、公正な判決を出されることを祈っています。
◆次回第25回口頭弁論は、3月11日(水曜)午後2時半から、名古屋地裁で行われます。傍聴をよろしくお願いいたします。
(4)「名古屋入管ウィシュマさん死亡事件国家賠償請求訴訟」についてのカンパなどの支援については、以下をご覧頂き、ご協力をお願いします。
①名古屋入管死亡事件弁護団(ご遺族の滞在費や裁判費用等に使われます。)
https://wishmalawyers.wordpress.com/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%91%E3%81%AE%E3%81%8A%E9%A1%98%E3%81%84/
②ウィシュマさん死亡事件国家賠償請求弁護団(国家賠償請求訴訟に使われます。)
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000094
全国各地の皆さん、これまでの「名古屋入管ウィシュマさん死亡事件国家賠償裁判」へのさまざまな温かいご支援に心から感謝を申し上げます。ウィシュマさんの命日である3月6日の追悼アクションと、3月11日(水曜)午後2時半から、名古屋地裁で行われる第25回「名古屋入管ウィシュマさん死亡事件国家賠償裁判」裁判傍聴を含め、今後ともさまざまな形でのウィシュマさんご遺族裁判ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。


