




報告=湯本雅典
1月24日、板橋区内(板橋区役所近く)で「チェンジ国政!板橋区の会」(チェンジ国政)が、総選挙に向けた街頭宣伝活動を行った。これは、2月8日投開票の衆議院選挙で前回総選挙で落選した自民党の予定候補を当選させないことを呼びかけた街頭宣伝だ。
この宣伝行動には、22日に「中道改革連合」から立候補予定の阿久津幸彦予定候補に要請を行った「戦争反対!憲法改悪を許さないオール板橋」(オール板橋)の矢部ふみ子さんも参加していた。この要請では、「チェンジ国政」と「オール板橋」連名の「事務局長談話」が阿久津予定候補に手渡された。その「談話」には、「憲法9条堅持」「原発ゼロをめざす」「辺野古新基地反対」なども含まれており、阿久津さんは「これまでとかわりません」と答えたという。
今回の総選挙極めて急であり、新党「中道改革連合」の結成というこれまでにない状況の中でたたかわれる。その中でも各地域の市民連合などの共闘組織は、板橋と同じようにこれまでの共闘運動をふまえ、独自の支援活動を行っている。板橋では引き続き31日に街頭宣伝活動が取り組まれる。
●動画(5分51秒)
<オール板橋&チェンジ国政! 板橋の会 事務局長談話>
政党再編のなかで、市民とともに歩む政治を求める ―阿久津幸彦衆議院議員に寄せる私たちの考えと要望―
高尾 誠 (戦争反対、憲法改悪を許さない オール板橋) 森川 洋典 (チェンジ国政!板橋の会)
1. 市民不在で進む政党再編への懸念
私たちは、安保法制に反対し、立憲主義を回復し、個人の尊厳が守られる政治の 実現をめざして、板橋の地域で市民運動に取り組んできた。
しかし現在、立憲野党と市民の共闘によって積み重ねられてきた政治的基盤と は切り離された形で、政党再編の動きが進められている。その過程において、市民 の議論や意思が十分に反映されているとは言いがたく、私たちはこの状況に強い 懸念を抱いている。
2. 下村博文氏が板橋の代表にふさわしくない理由
私たちは一貫して、下村博文氏は衆議院議員として、板橋の代表にふさわしくな いとの立場から運動を続けてきた。下村氏をめぐっては、以下のような問題が指 摘されてきた。
■旧統一教会との癒着
2015 年、文部科学大臣在任中に、1997 年以来認められてこなかった旧統一 教会の名称変更を認可した。週刊文春等の報道により、統一教会関連団体幹部か らの陳情や、政治資金パーティー券購入の事実が、内部文書によって明らかにさ れている。霊感商法などで社会的批判を浴び続けてきた教団の「看板の掛け替え」 を、所管大臣として事実上容認した責任は重大である。
■文科相として公教育に特定イデオロギーを持ち込み
2012 年 4 月、安倍晋三氏が会長として「親学推進議員連盟」を設立し、下村博 文氏は事務局長を務めた。「母親は 3 歳まで子育てに専念すべき」などの固定的な 性別役割観を含む「親学」を推進し、発達障害は「伝統的な子育て」で「予防」できる という非科学的な主張を展開した。
「親学」とは、日本会議役員で親学推進の中心人物である高橋史朗氏が提唱した もので、「伝統的な家族」のもとでの育児を推奨し、母親が子育てに専念すること が少子化対策であると主張するものである。性差別を撤廃することなく性別役割 分業を肯定するこの主張は、ジェンダー平等を推進する世界的潮流に逆行するも のである。
この「親学」運動は、かつて安倍晋三氏が 2005 年に座長を務めた自民党の「過 激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」によるジェンダー フリー教育バッシングの流れを継承するものであり、旧統一教会関連団体が全国 的に展開した「家庭教育支援法」制定運動とも軌を一にしていた。
下村博文氏は文部科学大臣在任中(2012 年 12 月 26 日〜2015 年 10 月 7 日)、この「親学」のイデオロギーに基づき、道徳の教科化などを推進した。文部科 学大臣という公教育の最高責任者の立場にありながら、特定のイデオロギーを公 教育に持ち込み、個人の尊厳に基づく平等で多様性を尊重する社会の実現を阻害 した姿勢は、強く批判されるべきである。
■政治資金の不透明さと裏金問題
2018 年から 2022 年の政治資金収支報告書において 476 万円分の不記載 があり、安倍派の事務総長として派閥パーティー収入の還流(キックバック)問題に 深く関与していた。2022 年 4 月と 8 月の派閥幹部会合に出席し、一度は廃止が 決まった還流の再開を協議した派閥幹部の一人である。
また、2013 年と 2014 年に文部科学大臣在任中、加計学園から後援会「博友 会」に計 200 万円のパーティー券購入があったにもかかわらず、政治資金収支報 告書に記載されていなかった。下村氏は「11 の個人や企業が 20 万円以下で購入 し、加計学園の秘書室長が預かって持参した」と説明したが、具体的な個人名・企 業名は明らかにせず、専門家からは「あっせん行為」として違法の可能性があると 指摘されている。現在に至るまで十分な説明はなされていない。
これらを理由に、2024 年 10 月の衆議院選挙では自民党から非公認処分を受 けた事実も強調しておきたい。
3. 選挙後も市民とともに歩むための要望
2024 年 10 月の衆議院選挙において、阿久津幸彦さんは板橋で当選した。小 選挙区制が始まって以降、下村博文氏を初めて破った候補者である。当選後も私 たちは、阿久津さんとともに街頭に立ち、対話を重ね、市民と野党の共闘が目指し てきた現実をともに追求してきた経緯がある。
それだけに、立憲民主党を離党し、新党に合流した今回の選択については、市民 運動の立場から複雑な思いを抱いている。と同時に、高市首相による自己都合解 散によって強制された対応の側面もあり、葛藤を伴う判断でもあったことは理解 する。だからこそ、これまで以上に、市民との対話を大切にされることを強く望む。 具体的に、以下の三点を要望する。
1 憲法 9 条を堅持し、平和主義を政治の基礎に据えること
ウクライナや中東をはじめ、現在の国際情勢が示しているように、戦争は一度 始まれば深刻な被害と分断をもたらす。集団的自衛権の全面容認や「専守防衛」か らの転換は、戦後日本が築いてきた平和主義と相容れないものである。憲法 9 条 に基づく平和主義を、今後も政治の基本に据えることを求める。高市政権は、総選 挙で得た議席数を「白紙委任」に近い形で解釈し、憲法 9 条改正へと一気に踏み 出そうとしているように見える。私たちはそれに明確に反対する。
2 沖縄・辺野古新基地建設に反対する立場を堅持すること
沖縄県民は、繰り返し辺野古新基地建設に反対の意思を示してきた。地方自治 と民主主義を軽視して進められてきた新基地建設は、沖縄への過重な基地負担を 固定化するものであり、私たちは認めることができない。安全保障は、特定の地域 に犠牲を強いる形ではなく、外交努力によって確保されるべきである。
3 原発ゼロをめざし、再生可能エネルギーへの転換を進めること
東京電力福島第一原発事故から 14 年が経過したが、被害の影響はいまなお 続いている。原発事故がもたらした現実を直視し、原発に依存しない社会への転 換を進めることが必要である。再生可能エネルギーへの転換を、国政の課題として 着実に進めることを求める。
これまで私たちは阿久津幸彦さんと、地域での共闘を通じて信頼の絆を結んで きたと考えている。阿久津さんが、今後の政治活動において、これまで板橋で築い てきた市民との信頼関係を基盤とし、対話と熟議を重んじる政治を実践し続ける ことを、市民運動の立場から強く要請する。
2025 年 1 月 21 日

