『コモンの「自治」論』

10月21日(土)ブッククラブ第44回読書会が開かれた。
今回取り上げた本は『コモンの「自治」論』(斎藤幸平+松本卓也編、集英社)。
参加者は7人。討論後に参加できなかったけれど録画を送ってほしいとの声(今のところ6人)が寄せられたが、これだけの方から要望のあったのは初めてで、本も討論も注目されていることを感じた。
討論は、「読んでいて嬉しい」「どの書き手も実践例を豊富に紹介していて、とても刺激を受けた」などの感想から始まった。
地域の中で議論のできる仲間を作ることの重要性、そして同時にその難しさも語られた。

岸本聡子・杉並区長は第3章で「自治」とは暮らしの未来を考える行為だ、〈地方自治こそがカギ〉と強調して、幾つもの手立てを紹介している。さらに「市民科学が場をつくる」(木村あや)、「独立自営業という希望」(松村圭一郎)などの提言もおもしろい、との声も多かった。
「大学における自治の危機」(白井聡)をめぐって、当時の運動が学生に限られたことに弱点があった。行ってみると早稲田大学にあった二つの学生会館も無くなり、古本屋街から社会科学の本は消えてしまい、大学が無菌室のようになってしまっている。そんな状態でも議論を続けることで運動の可能性を開いていこう、それが若い世代に繋がることになるというのが参加者の総意だった。

次回は12月10日(日)開催予定です。希望の本がありましたらお知らせください。