2025年5月28日(水)19.30〜20.40 生放送(アーカイブが残ります)
・配信場所 郵政共同センター(東京・末広町)
新聞の部数減少が止まらない。日本新聞協会によると、2024年の新聞発行部数は約2700万部だった。2000年には5300万部あったことから、その半分ほどがこの20年あまりで姿を消したことになる。新聞はどうなっていくのだろうか?
そんな折、昨年末にレイバーネット宛てに一枚のFAXが届いた。送り主は「読売新聞東京本社管内 読売新聞販売店 店主有志一同」。「34店を代表してやむにやまれずお伝えします」の書き出しで、「読売新聞の予備紙(押し紙)率が40%を超えていて、その負担に耐えきれず倒産、破産とともに一家離散などの悲劇が各所で生まれている。事実を知らせ世論喚起をしてほしい」という内容だった。「押し紙」とは、新聞社が販売店に卸した新聞のうち、実際には購読者に届けられない新聞を指し、新聞社は「押し紙」分の売上げが増える構造になっている。これは読売だけでなくほとんどの新聞社がやっていることである。
この問題に早くから警鐘を鳴らしてきたのが、フリージャーナリストの黒薮哲哉さんだ。2023年には『新聞と公権力の暗部』(鹿砦社)を著し、巨大メディアによる水増しのトリック、政界、世論を支配する権力メディアの恥部を暴露した。しかし新聞社にとっては「押し紙」は最大の汚点であり、新聞でも関連するTV・雑誌でもいっさい取り上げられることはなかった。黒薮さんによれば、「押し紙」による不正収入は年間で、少なくとも932億円にも達するという。「それは商取引上の不正問題だけでなく、権力が新聞の弱みを握ることでメディアコントロールにも使われている」と危惧する。
番組では、ゲストの黒薮哲哉さんに「押し紙」とは何なのか、そのヤミの深さと構造をじっくり話していただく。聞き手は、メディア事情に詳しい岩本太郎さん。後半では、元毎日新聞記者の中川紗矢子さんを交えて、新聞のあり方をディスカッションしたい。今回の番組を通して、レイバーネットに寄せられた販売店主の悲鳴に少しでも応えていきたい。
・出演者 黒薮哲哉(フリージャーナリスト、「メディア黒書」主宰)
岩本太郎(ライター、週刊金曜日)
中川紗矢子(元毎日新聞記者、イギリス在住/オンライン)
アシスタント 馬場朋子
*番組内で「新品の新聞がそのまま廃棄される衝撃映像」を公開します。
→ギャラリー参加などお問合せは、labornetjp@nifty.comまで。