
7月9日のレイバーネットTVは、<指宿昭一弁護士の「いま言いたいこと」>と題して2つのテーマでお送りしました。筑波大学で起きている「文系学類の廃止・統合」問題は、同大学卒業生の指宿さんにとっても身近な問題で、広く世の中に訴えたい内容でした。ゲストには筑波大学教員の竹谷悦子さんも加わりました。
指宿さんはこう語りました。「筑波大学では、人文・文化学類に所属する人文、比較文化、日本語・日本文化学類を廃止し、これらを統合した人文・文化専門学類を設置するという方針が進められています。この方針は、3学類の教員の会議で報告されただけで、審議すらされることなく、人文・文化学群のトップダウンで進められています。学生や卒業生等の大学関係者も、このことは何も聞かされていません。秘密裏に進められているのです。国立大学協会会長でもある永田恭介学長が、国立大学法人の文系縮小や大学の組織再編・統廃合について、自ら先駆的モデルを示そうとしているようです」と。つまり、筑波大学の動きは一大学の問題ではなく、文科省が推進する「国立大学法人における文系学部・大学院の廃止・他分野への転換」の流れで起きていることで、「文系軽視、理系重視」の具体化でした。
番組の二部は、「参院選で拡大する排外主義の動きをどう見るか」がテーマでした。「日本人ファースト」の参政党が目立っていますが、指宿さんは排外主義の風潮をつくった根っこには、政府・入管の施策があると語りました。「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」(入管)、「国民の安心と安全ための外国人政策ー違法外国人ゼロを目指して」(自民党)の政策を痛烈に批判しました。放送を見た人からは「指宿さんのお話、とてもよかったです。入管の『不法滞在者ゼロプラン』が参政党他の排外主義の主張に大きな影響を与えているということ、知りました」との声が寄せられました。指宿さんは排外主義がはびこる根拠として、「アジアを侵略し他民族を差別・抑圧してきた日本の歴史/加害者としての歴史総括を欠いた戦後」などが背景にあり、排外主義を許すことは戦争への道でつながる、と強く警告しました。ぜひアーカイブをご覧ください。(M)