
根岸恵子(レポート)
8月23日-24日、埼玉県毛呂山町のセミナーハウスにて、第8回のレイバーネット合宿が行われました。14時集合ということで、早めに炎天下のセミナーハウスに着いた時、車から降りた瞬間、クラっとするような暑さに足元がふらつき、入り口にかけてあった温度計が46℃を差しているのを見て、ぎょっ。農村の緑と遠くの里山のなだらかな景色を見ていつもは心が癒されるのに、今年は蝉も鳴いておらず、セミナーハウスから出るのが恐ろしく、恒例のバーべーキューは、野外ではなく室内へと場所を移して行うことにしました。

初めて参加の方3名を含め今年は20人の参加ということで、ワクワク感アリのスタートとなりました。スケジュールの最初は「原発とめよう秩父人」が行った「第6回福島原発20㎞圏内視察ツアー」の記録動画と参加した井上夫妻の説明が行われました。(写真下)

視察ツアーは浪江駅から始まり、双葉屋旅館、「おれたちの伝承館」へと回ります。伝承館の展示は特に被ばくで亡くなった骨になった牛の造形物が心を打ちます。合宿に参加してくださった鵜沼久江さんから当時の話や牛の話も聞くことができ、当時の惨状や虫もいなくなる放射能の恐ろしさを知ることができました。それから国が進める復興事業が軍事産業と深くかかわっていること、ドローンなどの実験場や四方に広がるソーラー基地など、イノベーションコースト構想の危険性、被災者のための復興という面が全くないこと、国の政策がすべて戦争に向いていることを感じさせられました。


夕方は室内で焼肉パーティーとなり、大交流会が開催されました。参加者の問題意識や活動について知る機会となり、つながりが深まりました。

21時からは、1970年代の「安保闘争」について記録した『怒りをうたえ』のダイジェスト版を観ました。日本にはこんな熱い時代があったこと。権力に抗う人々の怒りをぶつけることができた時代があったことに胸が熱くなりました。会場にはこの動画を上映してくれた東條守さんを含め、その時代に活動家で会った方もおられ、討論会も盛り上がりました。
翌24日のスケジュールですが、9時から参加者の詠んだ川柳の発表会がありました。兼題は「笑い」と「歴史」で、参政党を意識した句が多かったです。以下に優秀作品を紹介します。

*優秀作には「景品」もあった
<笑い>
秀作 九条の国が戦争笑えるね
自民より酷い憲法笑えない
参政のうすきみ笑い世を壊す
笑えないナチスSSよみがえり
表現の自由をわらう裏舞台
特選 笑えないガザの虐殺止むまでは
<歴史>
秀作 侵略の歴史書き換えまた戦争
戦争の歴史を忘れ投票場
戦争へ距離の二乗の無関心
歴史にはフタして語る未来志向
ファーストに排除されてる負の歴史
特選 広島と長崎福島まだ懲りず

10時からはジャーナリストの西里扶甬子さん(写真)の講演「731部隊と戦後のその系譜」がありました。そして、西里さんが関わった30年前のTVドキュメンタリーを観ました。731部隊は中国ハルビン郊外にあった日本軍によって創設された細菌戦部隊ですが、そこでは捕虜を使って残忍な人体実験が行われていました。敗戦後、戦犯を免責されるためにアメリカに731のデータはアメリカに渡り、関係した者は一切罪を問われることもなく戦後医学界の重鎮となりました。そしてその系譜がコロナ禍や原発放射能事故に影響を与えています。西里さんの話を知らなかった若い人もいて、これを後世にどう続けていくのか課題だと思いました。

合宿はその後、昼食を取った後、解散になりました。大変暑くて熱い合宿でしたが、中身の濃いものになったと思います。参加された方、ご苦労様でした。